2012年04月17日

培地としての米のとぎ汁

米のとぎ汁で病原菌が増えやすいことが、米のとぎ汁発酵物としてウィキペディアに書かれています。
ウィキペディアで引用している文献に、米ぬかに関して興味深い事が書かれているので紹介します。
「米ぬかによる細菌の発育増殖性と莢膜の形成性について : 高頻度に分離される細菌の場合」
リンク先の右側にあるプレビューをクリックすると論文を見ることが出来ます。

細菌などの微生物を培養する時に、培地というものを使います。
培地には寒天培地と液体培地があります。
ウィキペディアで紹介しているデータは、米ぬか溶液を寒天で固めた培地での実験結果です。
実験に使った米ぬか溶液は、細菌を通さないフィルターを通していますが、加熱殺菌はしていません。

水分が少ない寒天培地では、細菌はゆっくり育ちます。
培地としての米ぬか寒天培地は、肉エキスベースの普通寒天培地より培地の性能が劣っていました。
細菌は生育しますが、普通寒天培地より時間がかかったのです。
米ぬか寒天培地の性能が低い理由は、水に溶けない米ぬか成分を分解するのに時間がかかったためと考えられます。

ところが、米ぬか溶液を液体培地として使った場合には違う結果が出ました。
動物や人間の血液をベースにした液体培地よりも、米ぬか液体培地の性能が優れていました。
細菌は血液培地よりも、米ぬか液体培地で早く元気に生育しました。

培地の原料に血液を使う事があるのは、病原菌が人間や動物の体液成分を栄養として生育するからです。
そして米ぬか液体培地で、細菌が血液中より早く元気に育つことが確認されました。
水の割合が多い液体状態の米ぬか溶液・・・米のとぎ汁は優秀な培地だったのです。

細菌にとって血液は栄養豊富で大好物ですが、免疫という邪魔者がいます。
細菌は米ぬかも大好物ですが、水分が少ないので思うように育つことが出来ません。
水分が少ないコメや米ぬかに少し水分が加わると、細菌よりも乾燥に強いカビの仲間が育ちやすくなります。

糠漬けで微生物の生育が穏やかなのは、糠床の水分がコメのとぎ汁より少ないことも理由の一つです。
糠床に炒り糠を使う事がありますが、米ぬかを炒る事で加熱殺菌出来ます。
糠漬けの発酵に必要な乳酸菌などの微生物は、野菜から供給されます。

米のとぎ汁は栄養豊富な上に邪魔な免疫もいない、微生物にとって理想的な環境です。
黒糖などの糖分を加えると、微生物は更に元気良く育ちます。
元気に育つ微生物の中に病原菌が入っていたら、どうなるでしょうか?

冒頭で紹介した文献には、病原菌が米ぬか液体培地で早く元気に育つ結果が出ています。
飲食目的に米のとぎ汁で微生物の培養を行う場合、病原菌を取り除いておかないと大変な事になりますね。
どうぞご注意願います。

参考まとめ「米のとぎ汁乳酸菌関連ツイート」
posted by owl at 09:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月14日

米のとぎ汁乳酸菌と糠漬けの比較

前回と前々回、米のとぎ汁乳酸菌の危険性について書いてきました。
米のとぎ汁乳酸菌を実践している人たちに、米のとぎ汁乳酸菌は伝統的な保存食の糠漬けと同類という意見があります。
今回は米のとぎ汁乳酸菌と糠漬けを比較してみます。

1.種菌
糠漬けに糠床が必要なのは当たり前ですが、糠床は発酵のための種菌でもあります。
糠床の熟成には時間と手間がかかります。
一例として、ウイキペディアの「糠漬け」から糠床の部分を引用します。

「野菜くずを1週間ほど毎日取りかえて漬けると野菜についていた乳酸菌等が繁殖し、一応、完成である。しかし、この段階では糠床は熟成していないため、漬物の風味は少ない。野菜を漬けこみ毎日手入れすることで発酵がすすみ、風味が増していくのである。夏場なら2ヶ月、冬場なら4ヶ月ほどでおいしい糠床が完成する。」

糠床という種菌を使うことで、毎回美味しい糠漬けが出来やすくなります。
手間暇をかけた糠床を使うことは、安全性の確認を時間をかけて行う事にもなりますね。

一方、米のとぎ汁乳酸菌は種菌を使用しません。
米糠に付着した微生物と、空気中など培養する環境にいる微生物が増えることになります。

2.養分
糠漬けの場合、微生物の養分は米糠です。
米糠は水に溶けません。
微生物が米糠を栄養にするには、一度水に溶けるように分解する必要があります。
米糠を栄養にするのに手間取るので、糠漬けでは微生物が穏やかに増えます。

一方、米のとぎ汁乳酸菌では米のとぎ汁に黒糖を添加します。
黒糖は水に溶けるので、微生物はそのまま栄養として吸収出来ます。
黒糖があると、微生物は簡単に栄養を吸収して、急激に増えます。
急激に増える微生物の中に病原菌がいた場合、病原菌も急激に増えることになります。

3.摂取法
糠漬けの場合、糠を除いて漬物の野菜を食べます。
糠に有害な微生物がいたとしても、ある程度除かれます。

米のとぎ汁乳酸菌の場合、糠漬けの「糠床」に相当する部分を飲んだり吸引したりします。
豆乳に加えて豆乳ヨーグルトにする場合もあります。
米のとぎ汁乳酸菌に有害な微生物がいた場合、すべてを摂取する事になります。
摂取方法も、米のとぎ汁乳酸菌と糠漬けで大きく異なります。

以上簡単ですが、米のとぎ汁乳酸菌と糠漬けの主な相違点を述べさせて頂きました。

参考まとめ「米のとぎ汁乳酸菌関連ツイート」
posted by owl at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月03日

豆乳ヨーグルトと乳酸

健康食品ブームでヨーグルトが注目されています。
手作りする方もいて、ヨーグルトを作るヨーグルトメーカーという器具があります。
牛乳のヨーグルトから一歩進んで、豆乳ヨーグルトを作る人たちもいます。

ヨーグルトが固まるのは乳酸の働きです。そして乳酸といえば乳酸菌が有名です。
あまり知られていませんが、乳酸菌以外の微生物も乳酸を作ります。
正確にいうと、人間も含めたほとんどの生物は体内で乳酸を作っています。

ヨーグルトを手作りする方達に注意していただきたいことがあります。
乳酸菌以外の菌も乳酸を作り、別の菌が作った乳酸でも牛乳や豆乳が固るということです。
乳酸菌を増やすつもりで、病原菌が増えていたら大変です。

豆乳ヨーグルトを作る方の中に、「米のとぎ汁乳酸菌」から作る様に勧める人たちがいます。
前回の記事に書きましたが、米のとぎ汁を発酵させたものが乳酸菌溶液であることには疑問があります。
米のとぎ汁で病原菌が増えやすいことは、ウィキペディアにも米糠発酵物として書かれています。

食べ物の中に病原菌がいた場合でも、多くは胃酸で殺菌されます。
しかし食中毒菌などの病原菌の中には、胃酸での殺菌が十分に効かないものもあります。
食中毒菌は無臭の場合が多く、殺菌しても毒素が残って発病する場合もあります。

自家製ヨーグルトを作る場合は、食中毒にご注意下さい。

2012年4月5日追記
参考まとめ「米のとぎ汁乳酸菌関連ツイート」
posted by owl at 16:19| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月14日

米のとぎ汁乳酸菌の問題点

先月「乳酸菌風呂」についてTogetterでまとめを作成し、このブログでも簡単な紹介をさせていただきました。
乳酸菌風呂は米のとぎ汁乳酸菌の発展型です。
米のとぎ汁乳酸菌の危険性については、多くの方が指摘していますが、問題点が十分認識されているとは言えない状況です。
「乳酸菌風呂」のベースになる米のとぎ汁乳酸菌の問題点について、改めて述べさせていただきます。

米のとぎ汁乳酸菌の作り方概要(リンクは割愛します)
・米のとぎ汁(1回め)に1%の粗塩と3%の黒糖を添加。塩と糖を添加するタイミングは1日後から3日後。
・ペットボトルなどに密閉し、室温で1週間ほど静置。日に1回から数回攪拌する。ガスが発生した場合はガス抜きする。
・開始から4〜5日後に匂いと味で成否を判定する。

米のとぎ汁乳酸菌の疑問点
・「米のとぎ汁乳酸菌」という呼び方をされていますが、本当に乳酸菌溶液なのでしょうか?
・米のとぎ汁はデンプン溶液です。一般的にデンプンには乳酸菌よりカビの仲間、真菌類が生えます。
・米にカビが生えて困った経験がある方は多いと思います。米の加工食品である餅もすぐにカビます。
・カビの仲間には有益なものもありますが、有害なものも沢山あります。
・真菌以外にも様々な微生物が生えている可能性があります。

米のとぎ汁乳酸菌は安全ですか?
・米のとぎ汁乳酸菌が安全なものかどうかを述べるためには、調査確認が必要です。
・どのような微生物がいるか調べる作業を「同定」と言います。
・例えば、一滴の水の中に1万の微生物がいたとすると、最大1万種類の微生物がいる可能性があります。
・調べようとする対象の微生物をシラミつぶしに確定していく、気が遠くなる様な作業が同定です。
・米のとぎ汁乳酸菌の提唱者側から微生物を同定したという報告はありません。
・微生物が同定されていない場合、安全性も確認されていないと言うことになります。
こちらのTogetterに米のとぎ汁乳酸菌の危険性を、専門家の方が詳しく解説されています。

米のとぎ汁乳酸菌使い方の問題点
・米のとぎ汁乳酸菌に病原体がいた場合、使い方で最も危険な行為は噴霧吸引です。
・病原体を口から飲んだ場合は、胃酸での殺菌を期待できます。O157問題で分かるように胃酸も万全ではありません。
・病原体が肺に入った場合には胃酸という防御手段がないので、重篤な病気になる危険性が高まります。
・病原体を口から飲む場合でも、乳幼児やお年寄りなど免疫の弱い方は感染症のリスクが高くなります。
・米のとぎ汁乳酸菌の発展型「乳酸菌風呂」の危険性はこちらのTogetterをご覧下さい。

米のとぎ汁乳酸菌の危険性が、より多くの方に伝わることを願います。

2012年4月5日追記
参考まとめ「米のとぎ汁乳酸菌関連ツイート」
posted by owl at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月28日

原発事故後の日本 知られざるもう一つの危機

もうすぐ、東日本大震災から一年になります。
2011年3月23日、大震災と福島第一原子力発電所の水素爆発で日本中が不安に怯えていたときのことです。
私はヒマワリで放射能が簡単に除去出来るという誤った情報の修正をしていました。

ヒマワリ除染の誤った情報を検索しているうちに、奇妙な資料を見つけました。
それは、放射能を微生物で消滅させるプラントのプレゼンテーション資料でした。
放射能を微生物で消滅させることなど出来るはずありません、資料作成者の目的が分かりませんでした。
不審に思いながらも、ネット上に公開することで不安と混乱を増すと思い、公表しませんでした。

そして3月29日予想もしない形、韓国中央日報の報道として資料作成者の意図を見ることになりました。
資料を作成した轄s開発工学総合研究所のサイトはこちらです。
統一教会系の団体、世界平和教授アカデミーの記事もありました。

中央日報の報道を踏まえ、轄s開発工学総合研究所の記載を引用します。
「3月22日に韓国の元科学技術部長官 李 祥羲 先生からの緊急提案が日本の外務省を通じて、菅総理、谷垣総裁、石原幹事長宛に正式に提出されました。」
韓国からの正式な外交ルートを通して、日本の政府与野党首脳に微生物で放射能を消滅するよう提案されたのです。

私にとって、世界が暗転するほどの衝撃的出来事でした。このままでは、日本がとんでもない勢力の餌食にされてしまうと思いました。
八方手を尽くした結果、ニセ科学批判クラスターの方達により、轄s開発工学総合研究所に反論が行われました。
論戦の経緯はSkeptic's Wiki 生体内原子変換を参照してください。

その後轄s開発工学総合研究所の活動はやや沈静化していますが、3月11日の東日本大震災一周年を控えて、再活性化する兆しが見えます。
多くの方が知らない、実在する危機についてお知らせする必要があると思い、この記事を書かせていただきました。

2012年3月12日追記
5月19日に轄s開発工学総合研究所が帝国ホテルで行った記者会見で、政府が轄s開発工学総合研究所の提案を無視したことを知り、安堵しました。
関連する私の参考まとめ「EMBC関連ツイート」
posted by owl at 11:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

乳酸菌風呂

お湯を捨てない『乳酸菌風呂』というものがあります。
大勢の人が実践していることを、偶然見つけました。
数年前に流行したマコモ風呂に類似しています。

『乳酸菌風呂』の危険性について、微生物の専門家 y_tambe先生にお聞きしてtogetterにまとめました。
是非ご覧頂き、ご注意願いたいと思います。
posted by owl at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月30日

キノコは微生物ですか?

EMを応援している人たちに考えてほしいこと

最近ネット上でEM(EM菌など)の話題をよく見かけます。
EMを応援している人たちに考えてほしいことがあります。
「キノコは微生物ですか?」ということです。

微生物は目に見えませんがキノコは目に見えます。
ちょっと違いますよね。
何故こんな質問をしたか、よろしければお付き合い下さい。

微生物は目に見えないのにヨーグルトを造ったり、お酒を造ったり大活躍です。
微生物は不思議な力を持っているので、放射能も消せるという人たちがいます。
本当に微生物には放射能を消す力があるのでしょうか?

人間も動物も植物も、体の中に微生物が侵入すると病気になります。
微生物の別名はバイ菌ですね。
生物は病気にならないため、日々微生物と戦っています。

私たちに身近な植物の木が、どうやって微生物から身を守っているかご存知でしょうか。
木は細胞を固く丈夫にして微生物から身を守っています。
そして木が枯れた後でも堅い細胞は微生物の侵入を防ぎます。

では木が腐るのは何故でしょうか。
実はシイタケとかナメコとか、キノコが木の堅い細胞を壊しているのです。
木が丈夫なので時間がかかりますけどね。

キノコは木に生えるからキノコです。
シイタケ、マイタケ、ナメコ・・・ヘルシーで、食べるとおいしいキノコ。
でもキノコには微生物が真似できない力があるんです。

発酵とか腐敗とか色々な事ができる微生物。でも木は分解できないんです。
木だけではなく動物も植物も微生物から身を守るために、様々な能力を身につけてきました。
微生物の力に限界があるおかげで、私たちも動物も植物も生きていられるのです。

キノコに出来ることが出来ない微生物。
微生物は本当に放射能を消せるのでしょうか?
もう一度考えてみても良いのではないでしょうか。

追記)
専門的な事が知りたいなという方、ウイキペディアにこんな記事があります。
木材腐朽菌(もくざいふきゅうきん) http://ow.ly/8KGHJ

2012年1月31日追記)
キノコとは別な方法ですけれど、人間も木を分解して紙を造っています。
木の分解は人間にもキノコにも出来ますが、微生物には出来ません。
人間にもキノコにも放射能は消せません。
放射能を消すことは木を分解するよりも難しいと思いますが・・・
本当に微生物が放射能を消せるのでしょうか?
posted by owl at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月21日

仮設貯蔵タンクの利用

引き続き福島第一原子力発電所事故関連のことを書かせていただきます。
昨日のブログ記事「放射能汚染水の処理方法案2」で、大蔵ダムを使用した放射性セシウム処理について書きました。
この記事について、大熊町の農業と栽培漁業に与える損害が大きすぎるというご指摘を頂きました。

ご指摘頂いた通りです。大熊町の方達に受け入れてもらえるとは思えません。
私自身、提案したことに躊躇いと後悔の念を持っています。
一方で東京電力の汚染水処理システムはトラブル続きという状況があります。
汚水処理システムのトラブルが長引けば、再び放射能汚染水を海へ投棄するということが起こりえます。

放射能汚染水の海へ投棄を防ぐために、もう少し考えてみました。
福島第一原子力発電所には、汚染水を保管するための仮設貯蔵タンクが2系統あります。
「1〜4号機中・低レベル水処理設備処理水用」
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_110617_05-j.pdf
「5、6号機低レベル用」
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20110602-2nisa.pdf

これらの仮設貯蔵タンクに、土のう袋に入れたゼオライトを投入します。
粉末状のゼオライトでは、後で取り出すことが面倒ですが、土のう袋に入れれば扱いが容易になります。
またゼオライトを土のう袋に入れることで、排水用のチューブが目詰まりすることを防ぎます。

別途ゼオライト土のう袋を敷き詰めた貯水タンクを用意しても良いかもしれません。
放流可能な放射線量に下がったことを確認して放流します。
東京電力の汚水処理システムが予定どおりに使えず、汚染水があふれそうな場合、空いた仮設貯蔵タンクに移します。

ゼオライト必要量の検討が必要ですが、手間も、費用も少なくて済むと思います。
仮設貯蔵タンクの容量は合計25,200m3、汚染水は一日に500m3増えています。
仮設貯蔵タンクの20%、5,000m3を空けることが出来れば10日分の余裕が出来ます。

東京電力の汚水処理システムが、順調に動作すれば不必要なことですが、万一に備えて検討して頂きたいと思います。
posted by owl at 18:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月20日

放射能汚染水の処理方法案2

6月16日のブログ記事、「放射能汚染表土の再利用案」と「放射能汚染水の処理方法案」を読んだ方から、福島第一原子力発電所近くの「大蔵ダム」を活用してはどうかという提案をTwitterで頂きました。
大蔵ダムの総貯水容量は 114,000m3です。汚染水の一時保管が可能な貯水容量があります。
福島第一発電所の西南西約2kmの位置にあります。
http://www.dammaps.jp/?p=7&d=0459
http://metalwings05.fc2web.com/dam/07_fukushima/oozou/index.html

大蔵ダムを福島第一原子力発電所の放射性セシウム除去に使用する手順を考えました。
・大蔵ダムを沈殿池として使用する。
・大蔵ダムを一度排水し、汚染水とゼオライトまたは土壌を投入して静置する。
・放射性セシウムはゼオライトまたは土壌と結合し、ダム湖底に沈む。
・上清を下水処理場の活性汚泥槽に移し、残っている放射性セシウムを活性汚泥に吸着させる。
・活性汚泥を大熊町の汚泥リサイクルセンターで焼却して溶融スラグにし、放射性廃棄物として保管する。
・処理水の放射能を測定し、放流または再処理する。
・放射性ヨウ素が多く残留している場合、キュリオン社の装置などで再処理する。
・ダム湖底に沈殿した泥は浚渫して回収し、水分を減らして放射性廃棄物として保管する。

6月16日のブログ記事と重複しますが、少し補足します。
福島県内の放射性セシウムに汚染された土壌は、表土を除く事でかなり徐染出来ます。
土壌にはゼオライト同様にセシウムと結合する性質があります。

剥離した表土には、まだセシウムと結合する力が残っていると考えられます。
表土の剥離を促進するため、福島第一原子力発電所の放射能汚染水処理に使用する事を考えました。
処理場として、大熊町と双葉町の下水処理場を考えました。

下水処理場の沈殿池で表土と放射能汚染水をまぜ、放射性セシウムを土壌に吸着させます。
沈殿池でのセシウム除去には、ゼオライトも使用出来ます。
水に溶け出した土壌中の微粒子と有機物は、活性汚泥槽の活性汚泥で処理します。
活性汚泥中には細菌や原生動物、後生動物などの食物連鎖があり、放射性セシウムが生物濃縮します。

沈殿池は規模が大きい方が望ましく、下水処理場の沈殿池では不足するかもしれないと書いたところ、
大蔵ダムを使用する提案を頂き、上記案にまとめました。
東京電力が実施中の放射能汚染水処理作業には、ほとんど余裕が無い様に見えます。
補助的な手段として、この案をご検討頂きたいと思います。

上記案を実施した場合、大蔵ダムが放射能汚染され、大熊町にご迷惑をお掛けすることになります。
この様な提案をすることを、大熊町の皆さんにお詫び申し上げます。

6月21日追記
大蔵ダムを使用しない緊急対応法を考えました。
http://powerbreathing.seesaa.net/article/211096849.html
posted by owl at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月16日

放射能汚染水の処理方法案

(前の記事「放射能汚染表土の再利用案」の続きです)
福島第一原子力発電所の事故で、施設内に溜まった放射能汚染水の処理が問題になっています。
現状10万トンあまりの汚染水があり、今後さらに増える見込みです。
東京電力が内外の企業と協力して汚水処理施設をつくり、まもなく稼働しようとしています。
東京電力の汚水処理計画にはゆとりが無いので、別途補助的な処理方法があった方が良いと思います。

前回のブログ記事で、放射能汚染された地面の表土をセシウム吸着剤として、放射能汚染水の処理に利用する提案をしました。
今回、その実施方法を考えました。
既存の下水処理施設を利用するというものです。

福島第一原子力発電所は大熊町と双葉町にまたがる施設です。
大熊町と双葉町には複数の下水処理施設があります。
また大熊町には汚泥リサイクルセンターがあります。
http://www.mlit.go.jp/common/000138622.pdf
http://www.futaba-koiki.jp/drainage.html

処理方法は、次のような手順を考えました。
・下水処理施設の沈殿池で、放射能汚染水と土壌を混ぜて放置する。
・沈殿池に沈殿した土壌は、出来るだけ水分を減らして放射性廃棄物として保管する。
・沈殿池の上清と土壌を絞った水を活性汚泥槽に移し、微粒子や有機物を活性汚泥として回収する。
・汚泥リサイクルセンターで放射性物質の飛散防止対策を行い、活性汚泥を焼却して溶融スラグにする。
・溶融スラグも放射性廃棄物として保管する。
・処理水の放射線量を確認し、放流または再処理する。

大熊町と双葉町は福島第一原子力発電所事故の避難指示区域内です。
下水処理施設と汚泥リサイクルセンターは、現在使用されていません。
これらの施設を活用し、廃棄問題のある土壌を利用して放射能汚染水の処理ができれば、複数の問題を解決できます。
既存の施設と、処理に困っている土壌を使うことで、コストを低減できる可能性があります。

以上のことはアイデアとして考えたものであり、実施可能性の検討は慎重に行う必要があります。
技術的な課題以上に、被災者の方々への配慮が大切です。
地元の方達にご理解いただいた上で実施する必要があります。

6月17日追記
今回の提案のポイント
・放射能汚染された土壌の表土を使うことで、放射能汚染地域の除染を促進する。
・既存の下水処理場を使用するので、即応性がある。
・下水処理場の沈殿池でセシウムを吸着し、汚泥でさらに吸着するので放流水のセシウム濃度が下がる。
・特殊な薬剤や限られた鉱物資源を消費しない。

今回の提案の課題
・下水処理場でどの程度の土壌を扱えるか不明。沈殿池の増設、増強が望ましい。
・重機の使用など、沈殿池の土壌回収法を検討する必要がある。
・下水処理場及び汚泥リサイクルセンターが放射性物質に汚染される。本来の目的で使用出来なくなる。
・誰が主体になるか決めなければならない。複数の自治体と官庁の承認が必要になる。

6月18日追記
・農林水産省から返答頂きました。アイデアを説明するための、もう少し具体的な資料が必要です。
「表層土壌のはぎ取り技術は、除染技術の一つとして試験を行っており、並行して、はぎ取った土壌から放射性物質を回収する処理方法についても検討しております。また、ゼオライトの効果についても検証予定です。
土壌について、汚染水の処理に使えるかどうかは当方は知見を持っておりません。土壌は、種類によっても吸着能力が異なるといわれます。」
・ゼオライトについて、価格が安く、資源も豊富だという意見を頂きました。
土壌を使用することでのコストダウンは出来ない様です。

6月19日追記
・各地の下水処理場で放射性物質を含んだ汚泥が問題になっています。
焼却して溶融スラグにした後、セシウム吸着剤として再利用出来る可能性があると思います。

6月20日追記
・ご提案をTwitterで頂き、「放射能汚染水の処理方法案2」の記事にまとめました。
http://powerbreathing.seesaa.net/article/210798889.html

■この記事を評価して、関連の人気記事もチェック!
★★★★(素晴らしい)
★★★☆(すごい)
★★☆☆(とても良い)
★☆☆☆(良い)
by TREview

posted by owl at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする